2006年におけるプライバシーマーク取得事業者における個人情報の取り扱いにおける事故として、JIPDEC及び他の指定機関が受け付けた報告は、439社、708件に及んだ。内JIPDECが受け付けた事故報告は651件有り、その97%は情報漏洩事故である。漏洩事故の内訳は、個人情報を含む書簡・FAX、メールの誤配による情報漏洩が405件と6割以上を占めている。また、Antinnyなどファイル交換ソフトを使ったことによる漏洩は、28件(4%)であった[4]。
中でも、大日本印刷が864万件以上という過去最大(2007年3月時点)の個人情報流出事故を起こしているが、JIPDECは認定取り消しの次に重い処分である「改善要請」を出し、認定を取り消すことがなかった[5]。JIPDECは認定を取り消すよりも、制度の枠内で適切な再発防止策を講じさせるほうが有効であると結論付けているが、Pマーク自体の信頼性にもかかわる事件であり、認定を取り消すべきであると言う批判が相次く事態となった(ただし、当時の制度は、個人情報漏洩だけでは取消処分にはできないものであった)。なお、大日本印刷は当時JIPDECの賛助会員の一員であった(2010年11月現在も継続中)[6]。
三菱電機インフォメーションシステムズは2000年から2010年7月まで図書館貸し出しシステムに宮崎県えびの市の図書館利用者2761名を含む約3000名の個人情報を添付した状態でパッケージとして76カ所の図書館に納品し[7]、さらにAnonymous FTPサーバをVPNなどを用いず不用意に設定したため誰でもアクセスできる状態になっていた[8]。しかし、その直後に行われたJISA 平成22年度第7回審査会でペナルティを受けることなくプライバシーマークの認定が更新された[9]。JISAは2011年1月24日付で、同社のプライバシーマーク付与認定を一時停止(2か月)にすると発表した。[
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